父の他界から教えてもらった 感謝の生き方
私が初めて桑の葉と出会ったのは今から10年以上前のことです。そして、その翌年の平成20年(2008年)4月に桑茶販売の会社を創業しました。41歳の時でした。
それまでは海外留学や学習塾の講師の傍ら、途上国支援ボランティアに励んでいましたが、40歳の時、父が他界してしまいました。この出来事が私の人生にとって大きな転期となるとは思いもよらぬことでした。父の葬儀には地域の方や父の勤めていた会社の方々、父方の親戚、母方の親戚など、多くの方が来て下さり、参列された方々から父に対する感謝の言葉や楽しかった思い出を語って頂き、父はこんなにも多くの方から愛されていたんだと、とても驚きました。人を楽しく喜ばせることが好きな父でしたから、葬儀に来られた方々は父を偲びつつも常に楽しい雰囲気でおられ、心からの感謝の気持ちで父にお別れできました。
この時から、父のように「多くの人に喜んで頂くような人生を送りたい!」と心の底から感じるようになり、そんな時出会ったのが、この『桑の葉茶』でした。初めて出会った桑の産地は山梨県の市川三郷町。山梨県は全国一空き家の多い県ですが、人材が都市へと流出する中で、後継者のいない桑畑の再生の為の事業を行っていました。私は、この地域おこしを兼ねた桑茶の新しい事業に魅力を感じ、多くの人のお役に立てる仕事だと確信し、私の目指してきたものがそこにあるように感じられずにはいられませんでした。
しかし、今までの人生から大きな転換となるのですから、これにはとてつもない決断が必要です。山梨県の地域再生を賭けた事業でもあり、桑の葉の機能性が人々の健康に大変役立つなら…。父の他界で感じた決意を胸に、私の人生をこの桑葉茶に賭けてみたいと思いました。
それからは、桑茶を販売するに際して何度も桑の栽培農家を訪問したり、生産工場にも足を運びました。心を込めて作業に打ち込む姿や、広大な大自然の土地で、一生懸命有機栽培で育てている農家の方もおられ、「安心・安全な桑の葉を生産することにおいては、どこにも負けない!」と、自分が作っている桑に誇りをもっていらっしゃる姿にとても感動しました。そんな桑の素晴らしさを最大限に活かし、なおかつクセのない、まろやかで香り高い風味の桑茶を開発し、いよいよ販売をスタートさせることになりました。